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  • 日時|2026年10月8日(木)・10日(土)
  • 会場|みなとテラス
  • 参加|無料

ベンチから、まちの「間」を考える|第4回さかゑリビングラボを開催しました

10月8日・10日の2日間、第4回さかゑリビングラボを開催しました。今回のテーマは、「間ゼミ」。これから境港のまちなかに、「ちょっと休める」「座れる」「ぼーっとできる」。そんな小さな場所=「間」を増やしていくために、現在検討を進めているベンチのデザイン案を囲みながら、参加者のみなさんと一緒に考えました。
ただし、今回の目的は「どのベンチに決めるか」を選ぶことではありません。ベンチを入口に、そもそも、なぜ座るのか。どこで座るのか。誰と座るのか。そこから何が見えるのか。そんな、普段はあまり考えない「座る」「休む」「居る」ということそのものを、みんなで少しずつほどいていく2日間となりました。

まずは、まちなかを歩いてみる

今回のベンチ案は、米子高専の学生のみなさんからの提案をもとに検討が始まっています。でも、いきなり机の上でデザインを考えたわけではありません。提案に入る前に、まちなかの水辺を散策したり、水木しげるロードを歩いたりどんなベンチが置かれているのか。どんなふうに使われているのか。人はどこで立ち止まるのか。お店や家、道路とどんな関係にあるのか。そんなことを見て回りました。 依頼手紙

・ベンチを見る。
・触ってみる。
・座ってみる。
・そこから見える景色を見る。
・使っている人の話を聞く。

いつも歩いているまちでも、「座る」という目線を持って歩くと、これまで気づかなかったものが見えてきます。ベンチそのものだけでなく、その隣にある店先や軒下、人が行き交う道、ふと立ち止まれる余白。「ここなら少し居られそう」そんな場所を探すところから、間ゼミのベンチづくりは始まっています。

何より、提案内容がおもしろすぎる

10月8日は、学生のみなさんによるベンチデザイン案の初回発表。模型やスケッチ、投影資料などを使いながら、いくつものアイデアが紹介されました。 そして、何より提案内容がおもしろすぎる。単に「形の違うベンチ」が並んだわけではありません。

・地域の素材を活かすもの。
・風景になじむもの。
・山と海辺のつながりを感じさせるもの。
・座る以外の使い方まで考えたもの。
・人や地域の記憶をつないでいくもの。

さらには、新しくつくるだけでなく、今あるベンチを直しながら使えないか。端材や副産物を活かせないか。使い終わったあとまで含めて循環する仕組みにできないか。つくる過程そのものに、まちの人が関われないか。そんなところまで、話はどんどん広がっていきました。

ベンチを「完成させて置くもの」と考えるのではなく、つくる、使う、直す、残す、またつくる。その時間全体を、まちの中にひらいていく。そんな可能性も見えてきます。

「ベンチとは?」「座るとは?」を、みんなでほどいていく

学生のみなさんの提案をきっかけに、参加者からも次々と意見が出てきました。

「この案がいい」
「この形なら使いやすそう」

もちろん、そんな意見もあります。でも話しているうちに、だんだん問いそのものが変わっていきました。

そもそも、なぜ座るんだろう。

休むため?
誰かを待つため?
景色を見るため?
話すため?
ただ、ぼーっとするため?

座った先に何が見えるかも大切かもしれない。ひとりで座るのか。誰かと並んで座るのか。知らない人と、たまたま隣り合うのか。そもそもベンチは、本当に「座るためだけ」のものなのか。一つのデザインを選ぶために集まったのではなく、ベンチを真ん中に置いて話すことで、「ベンチとは?」「座るとは?」という、当たり前だと思っていた概念そのものが、みんなの意見で少しずつ溶けていく。

そんな時間になりました。

まだ、何も決まっていません

2日間のリビングラボを終えても、ベンチのデザインが決まったわけではありません。

どこに置くのか。
誰に置いてもらうのか。
お店の前なのか。
家の軒先なのか。
どんな場所なら、自然に誰かが座ってくれるのか。

これから募集していく「ベンチオーナー」の仕組みも、まだ考えている途中です。そして実際に置いたあと、どんな人が、どんなふうに使うのかも、もちろんまだわかりません。 だからこそ、おもしろい。完成した答えを見せるのではなく、

まちなかを歩く。
観察する。
学生が考える。
まず形にしてみる。
みんなで囲んで話す。
その意見を受けて、また案が動き始める。

その「途中」をひらいていくこと自体が、今回のリビングラボです。

ベンチひとつから、まちを見る目が少し変わる

ベンチという、たったひとつの装置。それだけでまちが大きく変わる、なんて、そんなたいそうなことではないのかもしれません。

でも、

「ここに座れたらいいな」と思いながら歩く。
いつも見過ごしていた軒先に気づく。
座った先にどんな景色があるかを考える。
誰かと話して、また違う見方を知る。

そうした小さなことの積み重ねで、自分たち自身が、このまちを見る目を少し変えていく。今まで気づかなかった余白を、少し楽しめるようになる。それだけでも、まちは今までとは少し違って見えるのかもしれません。

今回出た意見をもとに、ベンチのデザインや置き方について、これからさらに検討を進めていきます。完成は、まだ先。だからまた、途中で話したい。リビングラボを、もっともっと続けていきたい。そんなことを思える、2日間になりました

さかゑリビングラボは、境港市委託事業の『新しい“まちなか”創生ビジョン策定業務』の一環として実施しています。